ウイスキーにはたくさんの種類、銘柄、個性があり、どれが自分に合っているのかを探すのは一苦労。
「え〜い、ままよ!」と無作為に酒屋で選んだものがクセの強い通好みな製品だと、それっきりウイスキーを断念してしまう可能性もあります。
初心者の場合まずは軽やかな味わいのものから選んでみると失敗しにくいですので、ここでは比較的簡単に入手できるものからちょっとレア銘柄まで、飲みやすい製品を紹介しています。
おすすめ銘柄1 グレングラント10年
良質な仕込み水が採れるスぺイ川流域には多くの蒸留所が建設されています。
グレングラント10年は下流域のローゼスにあるグレングランド蒸留所にて製造されており、イタリアではシングルモルトの代名詞的存在にまでなっています(特に5年物)。
10年は著名なウイスキー愛飲家ジム・マーレイ氏による著書「ウイスキーバイブル」で常に高い評価を受ける存在で、洋ナシやリンゴのような香り、ライトな質感でフルーティーなフレバーをスムーズに味わえるのが魅力です。
おすすめ銘柄2 グレンフィディック12年
19世紀後半に操業を始めたグレンフィディック蒸留所は家族経営を続ける老舗で、本銘柄は世界で一番売れているシングルモルトとされています。
洋ナシの香りと柑橘系フルーツのような要素が感じられ、ボディは軽め。物足りなさを感じる方もいるようですが、初心者には特におすすめできます。
おすすめ銘柄3 ハイランドパーク12年
スコットランドの北部にある大小様々な島が集まったオークニー諸島、その中心であるメインランド島のカークウォールにあるハイランドパーク蒸留所で本製品は製造されています。
ピートが効いてスモーキーな風味がありますが特別に強いことはありません。
樹木のあまり生えない土地で採れたピートは優しい香りを幾分かもたらしてくれますので、むしろまろやかでハチミツ、メープルシロップのような甘い香りの方を先に感じ取れます。
少しオイリーな質感、しかしながらフルボディというほどの強いインパクトはなく、アフターテイストでは再び優し気なピート、そしてフローラルな余韻も。
度数はもちろん高いですけどアルコールの刺激をあまり感じず、美味しく楽しむことができます。
おすすめ銘柄4 オーヘントッシャン12年
ローランド地域の伝統とも呼べる3回蒸留を経て雑味を除去、クリアなテイストで味わえるのが本銘柄。
若葉やクリームブリュレのような香りが穏やか、そして柑橘系のフレバーを口に含むと楽しめます。
軽やかなウイスキーを探していくと、必ず出会うことになるでしょう。
おすすめ銘柄5 アベラワー10年
スペイ川中流域、アベラワー村にて長年操業を続ける蒸留所にて作り出される銘柄。
濃いバニラエッセンスとレーズンのような風味が味わえますが、クセはなくまろやかな口当たりを満喫できます。
こちらの製品は生産が終了、現在流通しているものが売り切れるともう味わえません。ただし12年物が新たに商品としてリリースされています。
おすすめ銘柄6 アランモルト10年
スコットランドの南西にあるアラン島ですが、こちらには1995年にシーバスリーガルで有名なシーバス社の元社長が蒸留所を建設しています。
それがこの銘柄を生み出すアイル・オブ・アラン蒸留所となります。
かつては蒸留所が多く操業していた島ですが現在はこの蒸留所のみ、そして原酒の供給などは行えないほど小規模な存在ですので、結果としてシングルモルトである本銘柄の個性は際立ちます。
とはいえ熟したメロンのようなフルーティーな香り、甘みのある味わいなどは初心者でも親しみやすいです。
スペイサイドに近い雰囲気が感じられるのが特徴と言えるでしょう。
おすすめ銘柄7 ウシュクベ・リザーブ
「ウシュクベ」、または「ウシュクベー」。これはゲール語で「生命の水」という意味で、「ウイスキー」の語源ともされています。
25種類以上の原酒を用いたブレンデッドウイスキーとなりますが、比較的モルトの割合が多いのが特徴で、さらにはシェリー樽にて6ヶ月以上の後熟を経てから瓶詰を行うこともあり飲みやすくも芳醇、ベテランのウイスキー愛好家にも愛されているのです。
おすすめ銘柄8 シーバスリーガル ミズナラ・エディション
バランスのとれた味わいで世界中にファンをもつシーバスリーガル。
本製品はスコッチウイスキーではかなり珍しい日本原産のミズナラ樽を熟成過程に用いているのが大きな特徴となっています。
ミズナラ樽は日本製のウイスキー、主に高級価格帯のもので使用されていますが、費用がかさむのでなかなか低価格帯のものではその特徴を確認することはできません。
本製品は比較的購入しやすい価格帯ということもあり、実際にすべての原酒をミズナラ樽で10年も20年も熟成させているわけではなく、他の樽で熟成させた原酒の一部同士をマリッジ(追加熟成)する際に用いているようです。
ですのでミズナラ樽由来の香りというものはそれほどでもなく、甘い香りとアプリコットのような味わいが印象的。
ライト〜ミディアムボディの質感は、ロックや水割りにするとさらにスッと口に含むことができるでしょう。
おすすめ銘柄9 ジェムソン・アイリッシュ・ウイスキー
通称ジェムソン、世界中で一番売れているアイリッシュウイスキーです。
3回蒸留、ノンピートによるスムーズな口当たりは誰もが親しみやすい軽やかさがありますが、ほんのりとしたシェリー香はエレガントな印象も。
カクテルベースでも人気です。
おすすめ銘柄10 ブッシュミルズ
北アイルランドはアントリム州にあるブッシュミルズ蒸留所は、アイルランドで現在操業する中でも最古の歴史を誇ります。
アイリッシュ伝統のノンピート、3回蒸留を経た味わいはたいへんにクリア、ライトな口当たり、また果実の香りが豊かですので非常に飲みやすいです。
おすすめ銘柄11 知多
最近ではスーパーやコンビニでも見かけることのある知多は、一つの蒸留所で作ったグレーン原酒のみで仕上げた「シングルグレーンウイスキー」。
世界的にも極めて珍しい製品ですが、主張が控えめなグレーン原酒を様々なタイプに作り分ける技術と情熱があればこそ、の逸品となります。
プロモーションでは「風薫る」というキーワードを採用、実際にハイボールにすると何となくさわやかな風が体を突き抜けていくような気分になる味わいです。
おすすめ銘柄12 白州
こちらのウイスキーを製造する山梨県北杜市にある白州蒸留所は、世界的にも珍しい森林の中に建設された施設です。
非常に澄んだ水、そして木々の香りをまとった空気に囲まれて育まれるウイスキーは若葉のような香りとフルーティーさがうまくブレンド、ピートの存在感がほのかに残るも、爽やかさの方が強いのでたいへん飲みやすいのが特徴となります。
最近は品不足が続いているので少し価格が高まっていますが、まだ比較的入手しやすいです。
おすすめ銘柄13 宮城峡
宮城峡蒸留所は年間通じて霧が立ち込めやすいエリアにあり、清浄な空気で周囲は満たされています。
蒸留所を建設する際もできる限り地形をそのままにしたことも知られ、自然に対する畏敬の念を感じさせてくれます。
柔らかな仕込み水、蒸気加熱を経る蒸留などニッカのこだわりの詰まった逸品で、複雑なフルーツ香とまろやかな味わいを堪能できます。
おすすめ銘柄14 カナディアンクラブ
どこでも買えるような製品で価格も安価ですが、とげっぽさのある樽香、強いアルコール香など低価格帯のウイスキーに見られるようなマイナスポイントとは無縁、非常に飲みやすくてクリアな味わいが特徴です。
「ライト」、「軽やかさ」だけで判断すると世界でも屈指の銘柄で、あらゆるバーでカクテルベースとして選ばれています。
シングルモルトやバーボンのファンには物足りなくなるくらいのあっさりライトボディ、そしてフレッシュなマスカットのような甘い風味も楽しめます。
おすすめ銘柄15 ヘブンヒルオールドスタイル
クセの強さが特徴のバーボンウイスキーですが、こちらはたいへんに飲みやすいのが特徴です。
トウモロコシの甘みはもちろん、麦芽の風味も感じ取れ、それもバランスは良好さをしっかりとキープ。
意外と中途半端な価格帯では当たりはずれの多いバーボンですので、失敗したくない方にはぜひおすすめしたいですね。